3. SUJ2とその他の化学成分

化学成分を見たところで、どのような物か、理解はできませんが、比較はできるでしょうか。





























































































































記号 Si Mn Cu Ni Cr Mo
SUJ1 0.95



1.10
0.15



0.35
0.50

以下
0.025

以下
0.025

以下
0.90



1.20
SUJ2 0.95



1.10
0.15



0.35
0.50

以下
0.025

以下
0.025

以下
1.30



1.60
SUJ3 0.95



1.10
0.40



0.70
0.90



1.15
0.025

以下
0.025

以下
0.90



1.20
SUJ4 0.95



1.10
0.15



0.35
0.50

以下
0.025

以下
0.025

以下
1.30



1.6
0.10



0.25
SUJ5 0.95



1.10
0.40



0.70
0.90



1.15
0.025

以下
0.025

以下
0.90



1.20
0.10



0.25
SK3 1.00



1.10
0.35以下 0.5

以下
0.030

以下
0.030

以下
SKS93 1.00



1.10
0.50以下 0.80



1.10
0.025

以下
0.025

以下
020



0.60
YK30 1.05 0.4 1.0 0.03

以下
0.03

以下
0.25

以下
0.25

以下
0.5
YCS3 1.00



1.10
0.1



0.50以下
0.60



1.10
0.030

以下
0.030

以下
0.25

以下
0.25

以下
020



0.60

SK3:炭素鋼です。通称「水焼きのSK」とも言います。

SKS93:SK3の油焼入れ対応品です。現在SK3と注文すると、SKS93が届きます。

YK30:大同特殊鋼の炭素鋼です。SKS93相当品です。

YCS3:日立金属の炭素鋼です。SKS93相当品です。

成分表の元:SUJは特殊鋼倶楽部の特殊鋼ガイド、YK30は大同特殊鋼の特殊鋼ハンドブック、YCS3は日立金属の赤本です。


SUJ2を炭素鋼と同様と言う人もいますが、成分表を見る限り、記号が違う分、違いますね。どこまで同じで、どこから違うのだろうか。材料の用途によるのでしょう。ただ、はっきりしている事は、ベアリングのような軸受けには、にSK3やSKS93やYK30やYCS3を使わないでしょう。


SUJ2で求められる事は、非金属介在物が少ないことと、耐疲労性です。

SUJ2は値段が安いわりに、厳しい事を要求される鋼種のようです。

SUJ2の生産量が工具鋼類とは桁違いに違うのでしょう。