時計修理(大和守祥易 作)

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修理人の説明
過日送っていただいたピアノ線0.3mmを使って、バネを作りました。
「機械式時計・コハゼバネ」の写真をお送りします。
(ここから下は長いです。お暇なときにでもどうぞ。)
たった0.3mmの太さでも、ピアノ線は丈夫ですねぇ。
ハリガネを折る要領で、ラジオペンチで「グネグネポッキン」しようと思ってもできません。
安物のニッパーで切ろうとしても、これまた切れません。
しょうがないので、金床と小型のタガネを使って、プッツンと切りました。
でも、切ったピアノ線が勢いよくピーン!と飛んでいくので、探すのが大変でした。
(2回切って2回とも行方不明。しょうがないのでセロテープで仮止めしてから切りました。)
最初はあれこれして曲げたものの、何かのはずみでまたピーン!と飛んでって、紛失。
これはさすがに涙目です。2回目は慎重にやりました。何とか曲がりました。
時計(手巻きのペンダントウォッチ)のバネが収まっていた溝に入れ、「角穴車」という歯車を
入れてみたら、今度はバネがわずかに太く、角穴車が回りません。
仕方がないのでヤスリで削り、砥石で研いで、厚さを0.1mm薄くしました。
今度は歯車が回りました。ようやく完成です。(0.1mmがこんなに大きいとは思いませんでした。)
このコハゼバネがなかったため、時計のゼンマイが巻けませんでした。今度はちゃんと巻けます。
よっしゃー!と思ったのも束の間、今度は時計のテンプ(一番忙しくクルクル回る所)の芯・天芯が
摩擦でチビてしまったらしく、ブレてうまく回りません。
今度は天芯を作らなきゃいけないのかぁ・・・ということで、時計用旋盤を買ってしまいました。
中古でも出費が痛いです。それに実体顕微鏡を買わないと、とても小さくて削れません。
削るためのバイトも、時計工具専門店から取り寄せました。ちっちゃくても高いです(泣)。
金属加工の道に、どんどん深入りしています。知識も必要なので、勉強中です。
でも時計旋盤の本は英語しかなく、翻訳ソフトを使っても意味がわかりませーん!(爆)
挿絵が数少ないヒントです。
長くなりましたが、報告は以上です。
山洞金物店の感想
凄すぎる。話が面白すぎる。そして、諦めないところが、偉い。